• オリンピック男子サッカーは若手選手が輝くまたとない機会を提供する
• FIFA.comが母国の予選突破に貢献した欧州のスター選手5名に注目する
• この先何年もサッカー界の主役を担う可能性のある要注目の5選手である
ヨーロッパの新進気鋭の選手たちにとって、2021年は忘れられない年になるかもしれない。オリンピックサッカー競技が7月に開催され、フランス、ドイツ、ルーマニア、スペインが東京2020に向かう。
2019年UEFA U-21欧州選手権でのオリンピック予選突破に貢献し、多くの称賛を集めたニュースター5選手。各国A代表チームの主要選手となり、今後何年もチームをけん引するかも知れない彼らをFIFA.comが特集する。

ミケル・オヤルサバル
スペイン
クラブ:レアル・ソシエダ/** **ポジション: 左ウイング/ 年齢: 22歳
スペインサッカーのファンなら、この若きウインガーの活躍ぶりをよく知っているだろう。すでにレアル・ソシエダの主将を任され、高い評価を受けているオヤルサバルには、明るい未来が待っているはずだ。
スピードよりも、敏捷性とテクニカルなプレーをストロングポイントとして武器にしており、前線の右もしくは左サイドに入ると、スペインリーグのチームの守備陣は大混乱に陥る。ゴール前に抜け出したときには、このFWのフィニッシュにおいてもそのレベルは並外れている。スペインA代表ではすでに初先発を果たしている。ラ・ロハ(スペイン代表の愛称)は、ダイナミックなウインガーという新たなオプションを増やしている。

ダヨ・ウパメカノ
フランス
クラブ: RBライプツィヒ / ポジション: センターバック/ 年齢: 21歳
体格に恵まれ、スピードがあり、オン・ザ・ボールでのプレーに優れるウパメカノは、現代のトップクラスのセンターバックに求められる全ての資質を持ち合わせている。まだ若いにもかかわらず、この元レッドブル・ザルツブルクの選手はブンデスリーガで先発出場するようになって、今季で3シーズン目を迎える。
試合を読む力に長け、冷静な頭脳を持ち、フィルジル・ファン・ダイクを彷彿とさせる正確なロングパスも供給できる。ウパメカノには、ヨーロッパのビッグクラブが獲得に興味を示している。フランスA代表のポジション争いは激しいが、才能豊かなウパメカノにもポジション獲得のチャンスは十分にあるといえるだろう。

スアト・セルダル
ドイツ
クラブ: シャルケ / ポジション: セントラルミッドフィルダー / 年齢: 22歳
セルダルのシャルケでの2018-2019シーズンはベンチ入りと招集外を繰り返したが、新指揮官のデイヴィッド・ワグナー監督のもと、重要な選手の一人となった。ボルシア・ドルトムントとハダースフィールドの指揮官を歴任した監督が就任し、新たな命を吹き込まれたシャルケは“ミスをすることを恐れない”。この若きミッドフィルダーはチームの過渡期に欠かせない選手である。
今シーズンここまでのブンデスリーガ最多のタックル数とドリブル数を誇るセルダルは、シャルケの推進力となり、攻撃面でも今季ここまで6得点を記録。怪我で数人の選手が離脱したため、セルダルは2019年10月にA代表デビューを果たすことができたが、レギュラー定着までは時間の問題だろう。

ヨヌーツ・ラドゥ
ルーマニア
クラブ: ジェノア(インテル・ミラノからレンタル)/ ポジション: ゴールキーパー / 年齢: 22歳
半世紀以上ぶりのオリンピック出場を決めたU-21ルーマニア代表チームのヒーローの一人。イタリアのセリエAでこの18か月間戦い続けている。昨年の彼のパフォーマンスは母国で注目を浴び、12月にニコラエ・ドブリン杯(ルーマニア年間最優秀選手賞)に選ばれている。
このGKは見事なセーブを連発しているが、ジェノアが降格争いの渦中にいるため、序列が下がるのは無理もない。だがインテルやその他のクラブがこの若きゴールキーパーに熱い視線を送っている。ルーマニアが目指す日本での表彰台フィニッシュにおいて、ラドゥはその鍵を握っている。

フセム・アワール
フランス
クラブ: リヨン / ポジション: ミッドフィルダー / 年齢: 21歳
冷静さ、ビジョン、ペースの切り替え、ゴールへの臭覚、素早いステップワーク。その全てがハイレベルであるアワールの名が、次のビッグネームとしてファンの間でその名を噂されるのは当然といえる。また、リーグ・アンやUEFAチャンピオンズリーグでの自信あふれるプレーとシャープさを見るにつけ、複数のビッグクラブが興味を示しているのも驚きではない。
リヨンで主将を務めるこのセントラルミッドフィルダーのプレーには、彼にとってのアイドル、ジネディーヌ・ジダンの影響を見て取れる。流れるような動き、中盤の突破力、チャンスを生み出す力、スペースを作る能力、左サイドのスペースをいかんなく活用する。アワールの今後には大いに期待できる。