男子オリンピックサッカー競技 Tokyo 2020

男子オリンピックサッカー競技 Tokyo 2020

22 7月 - 7 8月 2021

Romania

飛躍するヤニスがルーマニア復活を担う

Ianis Hagi of Romania celebrates
© imago

 • ヤニス・ハジがルーマニアのU-21の成功を振り返る

 • ルーマニアの伝説的名手ゲオルゲ・ハジの息子が東京2020出場権獲得に貢献

 • ヘンクのMFは初のUEFAチャンピオンズリーグに臨む

サッカー伝統国のルーマニアにとっての最後の世界大会は、20年以上前となる1998年のFIFAワールドカップ フランス™であり、オリンピックとなると55年前までさかのぼる。

しかし、時は変わった。そして代表チームのメンバー表には、1998年のフランスでルーマニアの黄金世代を目撃した人にとって、馴染みのある姓が載っている。彼の名前はヤニス・ハジ。フランス1998の3か月後に生まれである。往年の名手ゲオルゲ・ハジの息子は、東京2020のオリンピック男子サッカーでルーマニアが世界の大舞台に復帰する立役者となった。

ルーマニアは6月のUEFA U-21欧州選手権で躍進した。大会前には最下位という予想が多かったにもかかわらず、グループステージを首位で終え、オリンピック出場権を獲得したのだ。「僕たちが準決勝に進出するとは誰も思いもしなかったと思うよ。ルーマニアの人たちでさえも」。この20歳の選手はFIFA.comにそう明かしている。

新たな黄金世代の誕生か否かは議論が分かれるかも知れないが、ルーマニアがクロアチア戦とイングランド戦に勝利して強烈なインパクトを残したのは事実である。特に強烈な印象を残したのが、イングランド戦だった。大興奮の渦に包まれたクライマックスで2度リードを許したものの、最終的には4-2で勝利したのだ。ヤノスはこの試合を振り返り、「残り15分間で多くのドラマがあった。強い気持ちを持ち続けて、攻め続けることができたのは素晴らしかった」と語っている。

続くフランス戦を引き分けたルーマニアは、彼らが望んでいたものを手に入れた。「グループステージで首位になって、オリンピック出場権を獲得できたので、さまざまな感情が入り交じった。僕たちはルーマニアに誇りをもたらした。母国からは、大勢の人が僕たちの戦いを見るためにイタリアまで来てくれた。今度はみんながオリンピックも見に行くと言ってくれている!」

有名人の下で育つ

父親が有名なことに気づく

「成長するにつれて、父が通りや空港で声をかけられて立ち止まり、写真とかを求められるのを見て、父は有名人なんだと気づいた。僕はサッカーに夢中だったので、いつもネットで動画をチェックしていた。家には父がサッカー史に刻んだ足跡をたどるビデオも、いくつかあった」

父親が経営するアカデミーに参加

「はじめはちょっと難しかった。まだ10歳だったから。チームメートに気を使わせないようにするには、どうしたらいいのか分からなかった。でもしばらくしたら、単なるサッカーなんだと気づいた。自分が誰とか、誰の息子だとかは関係ないと。それからは自然に振る舞えるようになって、チームメートと友情を築くことができた。10年経った今でも、彼らとは連絡を取り合っている」

父親との比較

「父とは選手のタイプが違う。同じポジション(攻撃的ミッドフィルダー)だけどね。父はもっとスピードがあって、左足を得意としていた。タイプは違うけれども、僕は同じメンタリティーと野心を持っていたいと思っている。父は中盤での動き方を知っているので、いまだに学ぶことが多い」

多くの選手がゲオルゲ・ハジ・サッカーアカデミーで一緒だったので、この若いチーム内での絆は強い。「僕たちは長い間ずっと一緒にやってきた。ほとんどが父のアカデミー出身なんだ。10人くらいがそうだね。一部の選手はA代表へと、次の一歩を踏み出すと思う」

ドイツとの準決勝では終了間際にゴールを許して敗退した。だがヤニスには、東京行きの前に極めて重要となるシーズンが控えている。ベルギー王者のヘンクに新加入したヤニスは、父親が監督を務めるルーマニアカップ王者のFCヴィトルル・コンスタンツァから、UEFAチャンピオンズリーグへとサッカーのステージを上げる。

ヤニスはベルギーサッカーでのファーストタッチで決勝点を挙げ、これ以上ないスタートを切った。「本能に従っただけ」と振り返る彼は、地に足をつけ、チャンスをうかがっていた。

「何事も一つひとつ積み重ねていくことで、良くなっていく。次の日はいつも最初からやり直さなければならない。たぶんそれが、サッカーがとても美しい理由だと思う。3日おきくらいに、自分自身をもう一度証明するチャンスがある」

ヤニスは2018年11月にA代表デビューを果たしているが、EURO 2020への道のりで自分自身を証明したいと思っている。ルーマニアは次にスペインとマルタと対戦する。「代表チームではすべてが良い方向に進んでいる」と彼は言う。

「チームが軌道に乗るまでしばらく時間がかかる。まだ取り組まなければならないことがある。努力し続けていかなければならない。でも、新しい世代と今いる世代が融合したチームを作ることができれば、予選は通過できると信じている。EUROとワールドカップの予選突破は、最も重要なこと。僕たちは、正しい道のりにいると思う」

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